セイフティーネットを誰が伝える?

 昨年の「ワーキングプア」の教材からの入れ替え。バングラデシュでは公的な社会保障がないために、NGOが支援を行なっている。日本では社会保障はあるものの、それへのアクセスの方法やそれを使って生活を建て直すまでの支援はやはりNPOが行なっている。どうしようもなくなったときには誰かに頼りにすればいい。そんなメッセージを誰が伝える役割を果たせばいいのだろう?それは憲法で保障されている権利を行使したいというだけなんだから。そんな思いで作られた教材。実物の教材では「→」の部分はプリントでは階段を上るように書いている。後半部分の年収差についても「情報」として伝えておくべきとして今年も付け加えている。しかし、企業は担ってきた「福祉」を放棄しつつある中で、いつまで有益な「情報」であるかは検証すべきだろう。

セーフティーネットの話 

 バングラデシュで厳しい生活をしているストリートチルドレン、日本で路上やネットカフェで寝泊まりするネットカフェ難民のビデオを見ました。

 日本では(ア  日本国憲法  )で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む(イ  権利  )を有する」とされています。生活に困ったら誰でも頼れるようにと「生活保護制度」があります。

 バングラデシュのストリートチルドレンや、ネットカフェ難民のビデオに出てきたヤスジくんは、いろいろなつらいことが重なって、住む家を失い、1人で生きていける収入もなく、路上で暮らすことになってしまいました。
 この状態から自分1人の力で抜け出すことは、とてもできそうにありません。
では、どんな手助けがあれば、健康で文化的な最低限度の生活を送れるようになるのでしょうか。

バングラデシュのストリートチルドレン
 路上での厳しい生活 → 安全な( ウ  居場所  ) → 支援してくれるNGO → 支え合う(エ 仲間 )との出会い → 勉強できる( オ  環境 )→ (カ  職業訓練  ) → 自分の力でお金を稼いで家を借りる

ヤスジくん
 路上やネットカフェでの生活 → 支えてくれる人たちとの出会い → 最低限の生活保障=(キ  生活保護 ) → 生活のリズムを身につける → 計画的にお金を使えるようになる → (ク  仕事  )を見つける → 社会のルールを身につけ仕事を続ける → 1人で生活する

 このような、ちょっとくらい失敗しても、困ったことになっても、助けてもらえる仕組みを(ケ  セーフティーネット  )といいます。
 日本では、お金や住むところが無くて困っている人のための生活保護制度のほかにも、
  病気になった人のための(コ  健康保険  )、
  年をとって働けなくなった人のための(サ  年金保険  )、
  会社を首になった人のための(シ  雇用保険  )、
  仕事中にけがをしたり事故にあったりした人のための(ス  労災保険  )
 などがあります。

 日本には、セーフティーネットといわれる困ったら助けてくれる仕組みがあるにもかかわらず、富樫さんやヤスジくんのようにネットカフェや路上で寝泊まりすることになる人がたくさんいます。なぜ、そのようなことになるか考えてみましょう。

■富樫さんは、コンビニでアルバイトをしていました。
 時給800円のアルバイトを1日8時間やって月25日(週一回休み)働くと月いくら稼げますか?年収はいくらになりますか?
 800円×8×25=(セ  160000  )これに12をかけると、
 年収は(セ)×12=(ソ  1920000  )となります。
もちろん、病気で休んだらその分収入は減るし、さらに国民健康保険代や年金を自分で支払うと、手取りは12万5000円になります。支払わなければ病気やけがをしたとき、年をとって働けなくなったときにも、セーフティーネットはありません。
 20歳、25歳、30歳・・・と年をとっていくほど仕事がなくなり、時給も下がっていきます。
 フリーターが一生の間に稼げるお金は(タ  5000万円  )だと言われています。

■正社員はしんどい・・・というイメージがあるけれど・・・
 プリントを見ながら、アルバイトと正社員を比べてみましょう。
これはF社という毎年、(チ  求人票  )をくれている会社です。
 上のアルバイトと同じように、1日8時間、だいたい月に25日弱くらい働くということが、求人票を見るとわかります。この会社では、月にいくら稼げますか?
 国民健康保険代や年金は払った後で、月に手取り(ツ  約16万  円)あります。 会社も保険料を半分支払ってくれています。
さらに、ボーナスがあります。(2年目)
  基本給 164,432 円 × 5ヶ月分 =(テ  約82万  円)
 これを年収にすると(ト  約310万円  )となり、(ソ)と比べて100万円以上多くなります。さらに、1年働くごとに月に3000円ずつお給料が上がっていきます。
かりに、60歳まで40年くらい働くとすると、年収が(ナ  200万  円)増えることになります。
 会社員が一生の間に稼げるお金は(ニ  2億円  )以上だと言われています。
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